前回からの流れで、「産後の回復」についてお伝えしたいと思います。
産後の話をするには、まず妊娠・出産の話から・・・
妊娠して、自分とは別の、新しい命を誕生させる。
出産って命がけの大変なことです。
日本では出産時の母の死亡リスクはかなり低くなっていますが、
それは、医学の進歩と衛生管理、そしてお医者さんのおかげ。
お産自体が簡単になったわけではなく、
体への負担やリスクは変わらずあるのです。
妊娠・出産は、みんな違うと言われます。
人はみな、生命力、体の反応などひとつひとつ、個体差があります。
妊娠・出産も同じことでも、悪阻ひとつとっても、人によって、
あるいは同じ人でも第一子と第二子で違う症状がでたりします。
「産後の回復」にしても、千差万別です。
妊娠中の体の状態(悪阻やお腹の張りなど)や
出産時の状態(早産、陣痛・分娩時間、出血量など)、
産後の生活環境によって、
産後の不調や、回復に必要な時間も変わってきます。
「こんなことが?」と思うようなことが
その人が本来持っている生命力や回復力を低下させ、
「産後の回復」に影響を及ぼすのです。
「産後の回復ケア」は、多くの産後の母に必要なことだと思います。
韓国では、結構しっかり行われている印象があります。
専用の施設があるなど、ビジネスとしても進んでいるように感じます。
しかし、日本の現状はというと・・・
核家族が多い中、里帰り出産できない方もいるでしょうし、
里帰り出産できても、産後の回復とは関係なく、
戻らなければならない方もいるでしょう。
妊娠・出産で消耗した状態から、子育ては昼夜休みなく始まります。
産後の回復をはかりながら、お母さんもゆっくり過ごすように言われますが、
実際はみなさん、身体が欲するままに
しっかり回復できる環境にはないですよね。
また、子育てする母の心理として
「休みたい・・・」と思っても子供が動けば、
振り絞って動くしかない。
多くの女性が、母となると子供のことが最優先になります。
もちろん、我が子可愛さ、愛しさゆえですが、
自分の体はというと、気力・体力ともに使い尽くしていく感じ。
自分の体調不良なんて、二の次?三の次?
よっぽど、困った不調にならないと優先項目に入って来ません。
不調には
病名がつくようなはっきりとしたもの、
病名はつかないけれど、生活の質を落とすほどのつらいもの、
月経に関連するようなものも含め、多々あります。
気付けば、不調スパイラルにどっぷりはまり、
「どこかしら不調なのが普通」
「調子がよいってどんなだった?」
なんて、本来の健康な状態が分からなくなっている方も結構います。
出産すると、身体が変わると言いますが、
良くなる部分がある一方で
新たに様々な不調が出始めてしまうこと、
産前に感じていた不調が強くなってしまうことがあるということ、
そしてそれは産後の回復がうまくできていないことが
原因のこともあると言う事を知っておいてほしいと思います。
産後の人生の方が長いわけですから、
毎日をいかに、自分の思い描くように過ごしていくか。
これから出産を迎える方
出産直後の方
産後、時間は経ったけど、うまく回復が出来ていないと感じる方
ぜひ、お体大切にしてくださいね (^_^)/
そして、男性・女性問わず、頑張り屋さんの方!
「みんながやっていることだから」
という理由で、心身酷使している方、多いのです。
予想もしていなかったことが不調の原因になっていることもあります。
そして、原因は取り除けるものばかりではありません。
ですが、原因を知り、見合った対策やケアを行うことは大切なことです。
頑張った分、労わってあげましょう!