すっかり晩秋の空気になり、秋の深まりを感じますね。
みなさん、体調はいかがですか?
10月は末頃まで夏日のような日があったり、
12月初めの寒さになったり、と
体調管理がうまくいかず、お辛い方が多くなっています。
さて、今回は
「お灸で免疫力がアップする!」
ことについて。
11/3にせんねん灸お灸ルームにて
『モクサアフリカ』という活動を行っている鍼灸師さんの
お話を聞いて来ました。
内容は、
「新規結核感染患者に対する補助的灸治療の医学的研究」…
要約すると、
・貧困と生活環境の悪い地域では、結核感染が重大な問題となっている。
(毎日5000人の人々が亡くなっている。)
・戦前・戦後の日本で多くの人々が発症し命を奪った病は、
今、薬もワクチンも充実していたとしても、
貧困により栄養状態や生活環境が良くないと減っていかない。
・世界の中でアフリカや北朝鮮は、特に深刻な状況である。
・栄養状態や生活環境に影響を受けるのが、免疫機能。
体内の免疫機能を上げることが最大のカギとなる。
そこで注目されたのがお灸。
・かつて日本での結核感染が問題になったころ、
日本でモルモットを使って結核感染に対する灸治療の効果について
研究がなされたことがあった。
・それを基に、新たに
抗生物質+灸治療と抗生物質のみで感染力の経過を比較、
結果は抗生物質に灸治療を併せた方が早く感染力が低下する。
・お灸によって
免疫細胞(CD4陽性T細胞)とヘモグロビン量の増加が認められた。
まだまだ研究の分析は終わっていないということなので、
もしかしたら、もっともっと画期的な結果が出てくる??
と期待しておりますが。。
今回の研究では、誰でも簡単に毎日続けられるように、
足三里に7壮ずつ(米粒大)
お灸による刺激量を決めて行われました。
正直、鍼灸師としては、「それだけ?!」という量ですが、
それだけでも免疫細胞の増加という結果を出した、
お灸すごい!であり、足三里すごい!!なのです。
毎日、というのもポイントですね!!
昔から、足三里は万能ツボとして重宝されてきました。
何に効くの?
と言われると、困るくらいで
お腹(特に胃)の症状に対してだったり、
健脚のツボとして膝や脚の諸症状の時に使ったり、
冷えや浮腫みでも使ったり・・・
虚弱体質となるとやはり外せないツボとなります。
いわゆる「養生」のツボ。
今回の研究によって、免疫細胞とヘモグロビン量の増加が
明らかになった訳ですが、
免疫細胞が増加=病気にかかりにくくなる
ヘモグロビン量増加=細胞が必要とする酸素を送る機能が強化される
つまり、活発に動ける、疲れにくいということ
それはどんな生活でしょう?
想像してみてください。
いままで、鍼灸の効果について
「神経の興奮状態を整えてくれますよ~」と
患者さまにお伝えしてきました。
神経は色々な神経を含みますが、
自律神経であれば、例えば血液の循環改善、
痛覚の神経であれば、余計な興奮を鎮めて痛みを取る、
筋肉であれば、緊張をとる、
といった反応が起こります。
そこに加えて、いままで解明しきれなかった細胞レベルでの反応が
少しずつ分かってきているのです。
ヒートショックプロテイン(細胞修復たんぱく質)の産生(前述)
免疫細胞の増加
ヘモグロビン量の増加
これは大きな感動の一歩です。
「だからかぁ~!!」と納得の結果。
これからはインフルエンザの季節、寒い寒い冬の到来です。
体温が下がると免疫力が落ちる、というのはもう常識ですよね。
継続が大事です。
日々のお灸で強く元気な身体を作りましょう。